【検証】自国開催のオリンピックはどれくらい有利なのか
7月24日から開催される東京オリンピックで、日本選手団は史上最多となる30個の金メダル獲得を目標に掲げている。前回大会のリオ・デ・ジャネイロ五輪では14個、過去の記録を見ても最高は1964年東京大会、2004年アテネ大会の16個であることを考えると高い目標と言えるだろう。
スポーツ庁長官の鈴木大地氏は高い目標を掲げる理由について、東洋経済の取材に「メダルを取れそうな可能性があるアスリートからすると、自分がメダル候補にカウントされている可能性を感じられると、とても勇気づけられます」と語っている。
日本が過去最多の金メダルを獲得した1964年の東京大会では、その前2大会の4個に比べて実に4倍の記録を残している。自国開催が有利に働くと考えると、30個は難しくとも、かなり多くのメダルが獲得できるのかもしれない。
過去の開催国の成績は?
では、過去の大会でオリンピックの開催国は好成績を挙げているのだろうか。
近年、オリンピックで多くの金メダルを獲得するようになっている中国は北京五輪で躍進し、48個の金メダルを獲得している(大会では51個の金メダルを獲得したがドーピングが発覚して3個剥奪されている)。
中国は1952年のヘルシンキ大会に参加した後、1984年のロサンゼルス大会までの7大会については参加を見送っており、北京大会以前は2004年のアテネ大会での32個が最高記録だった。それから1.5倍となる16個増の48個を獲得した。
オリンピックで常に最多の金メダルを獲得しているアメリカの場合を見てみよう。
アメリカも自国開催のアトランタ大会では、その前後2大会に比べて好成績を残している。アメリカは1984年にもロサンゼルス大会にホスト国として参加しており、過去最高の83個の金メダルを獲得している。
選手の調整のしやすさや競技会場を知り尽くしているといった地の利、さらには国民の声援の大きさが選手たちに有利に働くのだろう。目前に迫った東京オリンピックでは、日の丸がどれだけ表彰式で掲げられるのか、楽しみだ。